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歯周病④(寝たきり・死亡リスク)

今回のテーマは「寝たきり・死亡リスク」です。

歯周病は歯を失う原因の中でも大多数を占める病気です。

歯を失うことは、食べ物が食べにくくなる・話しにくくなる 以外にも様々な影響を及ぼします。

今回は、歯を失うことが身体にどんな影響を与えるのか見ていきましょう。

 

寝たきり

寝たきりの主な原因の一つは、転倒による骨折です。
実はこの転倒、歯の本数とかかわりがあります。

 

人の頭は全身の中でも重い部分です。

この重い頭部のバランスを保つことにおいて、口の筋肉や組織は大切な働きをしています。しかし、歯を失ってかみしめることができなくなるとバランスが不安定になり転倒しやすくなります。

実際に、寝たきりにつながる骨折で「大腿骨骨折」というものがありますが、ある調査では歯を10-19本失うと大腿骨骨折になる可能性が2.3倍になり、20本以上失うと5.2倍になることが明らかになっています。

また、通常の本数は28-32本ですが、歯の本数が19本以下でインプラントや入れ歯などの義歯(人工の歯)をしていない方の転倒率は、20本以上歯がある方に対して2.50倍、義歯を使っている人の転倒率は1.36倍になることもわかっています。

 

死亡リスク

死亡リスクは歯の本数が少なくなるとともに増加します。
歯を10本以上失った場合だと、8年の間に死亡するリスクが5割以上も増えてしまうのです。
歯周病は、糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞・誤嚥性肺炎など様々な病気を引き起こす原因にもなり、お口以外にも深刻な健康被害を及ぼします。

また、一日の歯磨きの回数と死亡リスクにはあまり関係性がありませんが、歯間清掃をきちんと行うか行わないかでは死亡リスクが変わってきます。歯間清掃とは、歯ブラシだけでは磨くことのできない歯と歯の間の汚れを取る清掃で、歯間ブラシやデンタルフロスを用いて行います。ある調査によると、歯間清掃をきちんと行うと、10年間の死亡リスクが2割も減少するそうです。

歯の健康は全身の健康と深いつながりがあり、決して無視してはいけないものです。
健康に長生きするためにも、普段から歯周病ケアやしっかりとしたお口の清掃を行いましょう。
何か気になる点がございましたら、気軽に当院までお尋ねください。

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