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歯周病①(歯を失う原因として一番多いのは歯周病)

歯を失う原因として一番多いのは歯周病です。

しかし、歯周病は歯を失う原因となるだけではなく私たちの身体全身にも様々な悪影響を及ぼします。
歯周病シリーズでは、この歯周病と様々な病気との関係をご説明していきます。

今回のテーマは「糖尿病」です。

糖尿病とは

糖尿病とはインスリンが十分に働かないことにより、ブドウ糖(血糖)が血液中に増え、高血糖になってしまう病気です。

初期症状としては、

  • 疲れやすい
  • 尿の回数が増える
  • のどが渇く
  • ものがかすんで見える

  • などですが、進行すると糖尿病の三大合併症である、

  • 糖尿病網膜症(失明など)
  • 糖尿病性腎症(透析の必要な状態など)
  • 糖尿病性神経障害(えそなど)

  • のほかにも、動脈硬化を起こしやすくしたりなどの症状がでます。

    自分では症状を自覚することが難しく、自覚したころには病気がかなり進行している可能性もある怖い病気です。
    では、この糖尿病と歯周病はどのような関係があるのでしょうか。

     

    糖尿病と歯周病

    まず歯周病について少しお話しします。

    歯周病は、プラーク(歯垢)が原因で起こります。
    歯垢と聞くと、歯に付着した食べかすこと?と思われる方もいるかもしれませんが、プラークは歯に付着した最近の塊です。
    このプラークの毒素により、歯茎に慢性的な炎症が起きるなどの症状がでます。これが歯周病です。

    炎症がでると、免疫細胞が炎症性サントカインと呼ばれる悪玉ホルモンを出します。
    炎症性サイトカインは細菌やウイルスが体内に入った場合にそれらを撃退して身体を守る働きをしていますが、一方でインスリンの働きを阻害してしまいます(インスリン抵抗性)。

    歯周病は慢性的な炎症ですので、かぜやインフルエンザによって発熱などの症状がでるときのように一時的に炎症性サントカインが分泌されるときとは異なり、持続的に炎症性サントカインが分泌された状態になって常にインスリンの働きが阻まれてしまうのです。
    ↑(炎症性サントカインは細菌やウイルスから体を守ってくれるのに、インスリンの働きを阻害するなんで、いい物質なの悪い物質なの??と混乱する人がでてくるかなと付け足してみましたが、いらなかったら消してください。)

    よって、歯周病から糖尿病になる流れは以下のようになります。

    歯周病(炎症)が起こる

    炎症性サントカインが分泌される

    炎症性サントカインが血流にのって全身に運ばれる

    インスリンの働きが悪くなる

    血糖値が高くなる

    糖尿病になる

    血糖値は歯周病が悪化するとともに上がっていきますが、逆に歯周病を改善していけば糖尿病も改善していける可能性があるという風に、歯周病と糖尿病には深いつながりがあるのです。

    また、歯周病予備軍の方や妊娠糖尿病の方たちも歯周病治療により、症状の改善が見られる場合もあります。

     
    このように、歯周病と糖尿病には深いつながりがあります。

    歯周病は日本では成人の約80%の方がかかっているといわれている大変身近な病気です。

    糖尿病でない方や糖尿病予備軍の方々は、将来を健康的に過ごすためにも日頃からしっかりと歯周ケアを行い、定期的に歯医者を受診して歯周病を予防・改善しましょう。

    また、運動をしても、食事制限をしても糖尿病が改善されない方は一度、歯周病の可能性を考えてもいいかもしれません。

    歯周病について気になることがございましたら、気軽にお尋ねください。

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